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新人さん
「初めまして、山根鈴(やまねすず)です。よろしくお願いします。」
朝の朝礼で修が鈴ちゃんを紹介した。
教育係は圭だけれど忙しい時は僕も教える事になっている。
鈴ちゃんは肌が透き通る様に白くて瞳は薄茶色で髪は肩に当たらない程度の真っ黒なストレート。
身長は僕より低くて肩くらいしかないかも知れない。
なんだか可愛い妹が出来たみたいで見てるだけで微笑んでしまう。
「聖輝、ニヤけない。見たら相方が怒るかもな?」
「ぼ・・・僕は、可愛い妹が出来たみたいだなって思っただけだよ。あっ・・・・・・。」
鈴ちゃんは僕を見つめて顔を真っ赤にしてしまった。
まだ初対面なのに可愛い妹とか言われて気持ち悪かったかな?
圭が一通りの流れを教えている。
僕はテイクアウト用のクッキーを焼き始めた。
フロアにも出るが普段はキッチンで補助をしたりテイクアウト用のケーキやクッキーなどを作っていた。
平日のお昼以降から少し忙しくなるが午前中だから圭と鈴ちゃんで任せて大丈夫だよね?
忙しくなったら呼ぶ様に言ってある。
10時の開店から30分が経つ頃に鈴ちゃんが僕を呼びに来た。
「黒岡さん、スーツを着た男性が黒岡さんを呼んで欲しいと言ってます。」
「スーツを着た男性が?名前とかは聞いてない?」
「あっ、すみません。あまりにもカッコよくてドキドキしてしまって忘れてました。」
カッコいい?
鈴ちゃんは顔を真っ赤にして僕に謝ってきた。
「いいよ。その人窓際の1番奥の席に座った?」
「はっ、はい。」
「なら、分かった。ありがとうね。」
窓際の1番奥の席に座るのは僕の大好きな人しかいない。
外回りの時にたまに立ち寄りお茶をして行ったりお客様と打ち合わせに使ってくれている。
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