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幸せだよ

僕はしばらく蒼大の腕の中で余韻に浸っていた。 優しく抱きしめられて髪を撫でられていると眠りに落ちそうになってしまう。 「聖輝、寝るなよ。シャワー浴びるだろ?先にシャワー浴びるか?」 「もう少ししたらシャワー浴びるよ。先に蒼大入ってよ。」 「身体痛いなら一緒に入る?俺が聖輝を洗ってやるよ。」 「いいよ。僕は1人で大丈夫だよ。」 慌てている僕を見て蒼大はクスリと笑いベッドから出てシャワーを浴びにバスルームへと向かって行った。 まだドキドキしてる。 蒼大に触れられて肌を合わせる度に身体中が熱くなって蒼大の事で頭が一杯になり余裕が無くなる。 あの頃と変わらない気持ちでいる。 あの時、僕は死ななくて良かったと心から思う。 苦しくて悲しくて辛い出来事があったけど今は幸せに過ごせている。 きっとあの時の僕が居たから今の僕が幸せを感じれる様になれたんだよね。 「聖輝、シャワー空いたぞ。」 「あっ、うん。」 下着だけで肩からバスタオルを掛けて蒼大が部屋に入ってきた姿を見て僕はまたドキドキとしてしまう。 「そんなに見られたら恥ずかしいんだけど聖輝。」 「へっ?あっ・・・えっとバスルーム行ってくるよ。先に寝ててね。」 「分かった。」 分かったと言っても蒼大は起きて待っていてくれるんだよ。 疲れてるのにありがとう蒼大。 大好きだよ。

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