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久しぶり
事前に連絡を入れていたから駅に着くてと悠真が車で迎えに来てくれていた。
「聖輝、久しぶりだな!」
「ありがとう。急に来てごめん。」
「良いって、俺と聖輝の仲で遠慮なんていらないから気にすんなよ。大ちゃんも元気だったか?」
「うん。元気だったよ。ゆうちゃん。」
悠真は、大輝と同じ目線までしゃがんで大輝の頭を撫でると大輝は、悠真に会えたのが嬉しいみたいでそのまま首に抱きついて嬉しそうに笑った。
そして悠真は、そんな大輝を片手で持ち上げ車のトランクを開けてくれた。
「聖輝、荷物トランクに入れろよ。」
「あっ、うん。」
「それと、ホテル予約とか取れなかったんだろ?俺の家に来いよ。」
「うん。ありがとう。今晩だけ泊めて欲しい。明日はホテルの予約とか取れてるからお願いします。」
明日は蒼大と来るはずだったから部屋を予約していた。
でもあまりにもムカついて予定変更して1日早く来てしまい来る途中で何件かホテルの予約が取れないか聞いてみが無理だった。
夏休みだからやっぱりホテルの部屋は満室で空きがなかった。
久しぶりに会う悠真に甘えちゃって本当に申し訳ない気持ちで一杯になった。
「よし、大ちゃんは後ろに乗って聖輝は助手席に乗ってくれよ。それとなんで敬語?マジで気にすんなよ。」
「うん。ありがとう悠真。」
悠真は大輝を後部座席に乗せてシートベルトを装着してくれた。
「良い子にしてたら大ちゃんに良いものあげる。」
「本当!ゆうちゃん。」
「本当だ。約束な大ちゃん。」
「うん。」
悠真は大輝と指切りをして頭をクシャクシャと撫でると後部座席のドアを閉めた。
僕はシートベルトを装着しながらそんな2人のやりとりを見つめていた。
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