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再会

悠真が向かった病院は大地さんと美央さんが運ばれた病院だった。 この辺で夜間診察がある病院はここしかない。 「聖輝、大丈夫か?」 「あっ、うん。大輝のが心配だから悠真。」 大輝を抱えて受付まで急ぎ足で歩いた。 悠真はきっと大地さんの事があるから聞いてるんだと思うけれどそれより大輝のが心配だった。 受付で熱を測るように体温計を渡された。 大輝の体温は39度。 「宮垣大輝ちゃん。診察室に入ってください。」 「はい。」 看護師さんに呼ばれて診察室に入るとそこには白石先生が座っていた。 「久しぶり、大輝君。熱が高いみたいだね。聖輝君、大輝君は咳とかしてた?」 「いえ、頭が痛いと言って夜食べた物を全部吐いてしまいました。」 「大輝君。お口開けれるかな?」 意識朦朧としながら大輝は白石先生に言われた通りに口を開いた。 先生はライトで喉の奥を照らしてじっくりと見ていた。 「少し赤いけど扁桃腺は腫れていないから風邪だと思います。お薬出しますので様子を見てください。2、3日で熱は下がると思いますよ。念の為に点滴をしましょう。」 「はい。ありがとうございます。」 「それと何かあったら僕の携帯に連絡してこれが番号。」 白石先生はメモ帳に携帯番号を書いて渡してくれて肩を軽く叩かれた。 大地さんの時もそうだったけど白石先生は本当に優しくて頼りになる。 こんな時に白石先生じゃなくて蒼大が側にいてくれたらもっと心強くて安心できたのに今は不安が胸の中を占領している。

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