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知らせ Said 悠真
聖輝がいない間に大ちゃんが目を覚ました。
熱は無いみたいだけれどでもずっと聖輝の事を心配している様子で気になる。
まっ、俺の考えすぎか?
「悠真、大ちゃんどう?」
「熱計ってる。りんごジュース持って行く所。」
「大ちゃんが元気になったら俺キャッチボールしたくてさ、ジャーアン買ってきちゃった。」
効果音が聞こえてきそうなくらいに治樹が効果音言ってるけどそれだけ嬉しいんだろう俺の目の前に真新しい子供用のグローブを見せてきた。
「また、お前なぁ〜。」
「ハイハイ。相談無しにとか怒るから先に買ってきちゃったもんね。」
嬉しそうにグローブの中に球を入れてグリグリと押して、時々バシッとグローブの中に球を投げ入れて具合を見ていた。
治樹は子供が大好きだ。
でも俺達には子供が出来ないそれを分かっていて2人で暮らしている。
だから大ちゃんが自分の子供みたいに可愛いに違い無いそれは、治樹と一緒で俺も同じ気持ちだ大ちゃんが可愛くて仕方が無い。
「なぁ、治樹の携帯鳴ってないか?」
「あっ、本当だって蒼大じゃん!」
「早く出ろよ。治樹!」
「ちょっ、あっ・・・はい。お前なぁ〜。はあっ?何言ってんの?」
グローブをグリグリとしながら治樹は苛立ちを隠せないで蒼大と電話で話をしていたがフッと手が止まり俺の顔を見て呆然としていた。
「あ・・・俺さ、蒼大が何言ってるか理解出来ないんだわ。悠真に代わるからさ・・・・・。」
治樹の手が小刻みに震えている。
理解出来ないんじゃ無くて蒼大の言ったことが受け入れられないだろうと思えた。
もしかしたら聖輝と別れるからとかそんな話か?
俺は治樹から携帯を受け取ると蒼大と話し始めた。
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