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知らせ Said 悠真
蒼大との電話を切ってから俺は黙ったまま立ちすくんでいた。
治樹じゃなくても動揺してしまう。
まさか・・・・・・聖輝・・うそだろ?。
目の前の治樹はグローブをただ見つめて床に座り込んで動かないでいる。
こんな時に・・・・・・。
「ゆうちゃん。はやく病院行きたいよ。」
リビングにピタピタと足音を立て入ってくるなり大ちゃんが病院に行きたいと言い出した。
そうだ。
大ちゃんの熱!
「具合悪くなったか?」
「違う。はやくいぶちゃんの所に行きたい。」
話を聞かれていた?
俺は返事だけしかして無かったと思うんだが記憶が所々に曖昧だからもしかしたら大ちゃんに聞かれていたかもしれない。
誤魔化しも無理そうだ。
大ちゃんはパジャマから服に着替えて外に出る準備ができていた。
さっき電話を切ったのに大ちゃんが服に着替えてるなんておかしいよな・・・。
「まだ?ゆうちゃんとはるちゃん。僕いぶちゃんの所にはやく行きたい。」
治樹の背中を押しながらユサユサと揺さぶって急かす大ちゃん。
考えるのは後にして早く聖輝と蒼大が居る病院に行かないとダメだと思い俺は治樹の頭を軽く叩くと出掛ける準備をさせた。
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