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入院 4

蒼大と大ちゃんはお弁当を食べ終わっていたが僕はまだ半分以上残っている。 「いぶちゃん、大丈夫?」 「うん。大丈夫だよ。」 あまりにもゆっくりと食べていたのでお腹がいっぱいになり始めている。 けれどちゃんと食べないと早く治らないから頑張らないとって思っていたら蒼大さんが僕の隣に立ち頭を撫でた。 「蒼大さん?」 少しだけ寂しそうな顔をした蒼大さんが手を差し出してくる。 「貸して、まだ本調子じゃないだろ?」 貸してって事はア〜ンですよね? 無理です。 僕は首を振ろうとしたけど頭も切っているから痛みが出てしまい手に持っていたフォークを落としそうになった。 「無理するな甘えてろ聖輝。」 「ヴッ・・・うん。」 蒼大さんは僕からはフォークを取ると大き目な煮物を切り分けてくれた。 煮魚は骨と身を全部分けてくれてそのままフォークを僕に返してくれた。 あれ? ア〜ンじゃなくて食べやすいようにしてくれたんだ。 うわっ! 一人で勘違いして凄く恥ずかしいよ僕。 「食べれるか?」 「うん。ありがとう蒼大。」 蒼大さんて呼んだら寂しそうな顔になるからなるべく蒼大って呼ぶ事にした。 本当に蒼大さんは優しくて頼れる。 「いぶちゃん、お顔が赤いよ。」 「えっ?顔赤い?」 「大輝、邪魔したらダメだから良い子に座ってプリン食べるか?」 蒼大さんが冷蔵庫からプリンを出して見せると大ちゃんは嬉しそうに頷いた。 蒼大さんはテーブルにプリンと付けられていたスプーンを置くとワシャワシャと大ちゃんの頭を撫でている。 「フフッ・・・大輝は、プリン好きだもんね。」 あれ? どうして大ちゃんがプリン好きだとか知ってる風に言ったんだろう? 「聖輝・・・・・。」 「えっと、なんだろう?気づいたらそう言っちゃったんです。」 「僕はいぶちゃんのプリンが1番好きだよ。」 大ちゃんはプリンを食べながら僕を見てニコニコと笑っている。 僕はパティシエだと聞かされている。 大ちゃんにプリンとか手造りのおやつを作っていたのだろうか? 美味しそうにプリンを食べる大ちゃんを見て思ったんだ。 身体は覚えているかも知れないから治ったらプリンを作ってあげたいとそう思った。

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