僕が見た光景は、悠真さんと治樹さんが抱き合ってキスをしていた。 ど・・・どうしよう。 僕は見なかった事にしたほうが良いのかな？ 身体の自由が利くならその場から立ち去って何も見なかった事に出来るけどそれは無理だ。 それにもうお二人と目が合ってしまい僕はどんな反応をして良いかさえ分からない。 「い・・・聖輝。居たのか？」 「えっと、あの売店に行こうかと思ったんだ。」 悠真さんが気まずそうに話してくるから何故だか迎えに来たと言いにくくて嘘を言ってしまった。 「そっか、じゃあ一緒に行こうか？」 治樹さんも少しだけ挙動不審な感じで僕に話しかけてくる。 断ればなんか余計にギクシャクしそうだから僕は2人に付き添いをお願いした。 売店は１階にあり僕は６階の部屋に居た。 下まで降りるエレベーターの中で少しだけ気不味い雰囲気になってしまっている。 でも僕はお二人がキスをしているのを見てビックリはしたが気持ち悪いとか思わなかった。 なんか胸がギュッてなったんだ。 嬉しいような悲しいような複雑な感情でどう表現したら良いのかな？ 「聖輝、見たよな？俺と治樹の・・・・・・。」 悠真さんが僕を真っ直ぐに見つめて言葉を詰まらせ泣きそうな顔をしている。 僕はなんて声を掛けたらいいの？ 思ったままの気持ちを言ったら悠真さんも治樹さんも嫌な思いするかな？