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入院 9
「俺、悠真だけど蒼大は今話していて大丈夫?あのさ、聖輝がお前の事好きみたいだ。冗談じゃないって、本人に聞いてみろよ。記憶はまだ戻って無いからな気をつけろよ。」
えっと・・・何が起きてるんでしょうか?
僕も治樹さんも悠真さんを見ているだけで悠真さんの行動力に付いていけなかった。
「はい、聖輝。」
「あっ、はい。ありがとうございます。」
差し出された悠真さんの携帯を受け取りお礼を言った。
イヤイヤ、じゃなくて有り得ないよね。
けれど悠真さんが出ないのみたいな感じの顔するから僕は震える手で電話に出ると耳元で蒼大さんの声が聞こえて来た。
近くて耳がゾワゾワってして身体中の血液が沸騰する感じで身体が熱くなる。
ドキドキが止まらなくて声が震えて上手く言葉が出て来ない。
『聖輝?』
「あの、あの僕・・・・・。」
『俺を好きってそれは恋愛感情かな?」
蒼大さんは落ち着いた感じで話してくれた。
男の僕に好きだとか言われたら迷惑だよね。
それに退院したら以前と同じ様に同居する予定だったけれど蒼大さんに受け入れてもらえないなら僕は同居するのが辛いよ。
『聖輝、もし恋愛感情なら嬉しいんだけど俺はお前が好きだよ。』
蒼大さん・・・今、何って言ったの?
僕を好きだと言った?
『聖輝、愛してるよ。』
耳元で優しく囁く蒼大さん。
僕は嬉しくて蒼大さんも僕を好きだと・・・・・愛してると言ってくれた。
「僕も蒼大・・・が・・・ヒクッ・・・好き・・・。」
『ありがとう。もう一度好きになってくれて聖輝。』
僕は泣き崩れて蒼大さんに返事をすることが出来なくなってしまった。
『聖輝、もう直ぐ電車来てしまうから悠真に代わってくれる?』
「う・・・うん。」
僕は悠真さんに携帯を差し出して近くにあったハンドタオルで涙を拭っていた。
それから落ち着いてきたら蒼大さんが言った事に何か引っかかる事がある。
もう一度?
僕は以前も蒼大さんを好きだったって事?
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