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ホテル

楽しい時間はすぐに過ぎてしまう。 悠真さんにホテルまで送って貰うと寂しさがこみ上げて泣きそうになると悠真さんは優しく笑いかけてくれた。 「また遊びに来いよ聖輝。」 「うん。ありがとう悠真さん。また遊びに来ます。」 「またな元気でな!」 そう言うと悠真さんは車を走らせ僕は悠真さんの車が見えなくなるまで見送っていた。 「行こうか聖輝。」 「うん。」 大ちゃんは蒼大さんの話をたくさんしてくれたんだ。 動物園に行って楽しかったらしくて興奮気味にいろんな動物の話をしてくれる。 「僕ね。キリンさんが好きだよ。」 「キリンさんが好きなんだ。」 「うん。近くで見たらね。お首長くて大っきかったよ。」 キリンさんの話になると止まらなくなりでも可愛いからずっと聞いていられると思った。 何かな? 甘いような匂いがして、それは何処かで嗅いだことのある匂いで凄く胸が苦しい。 なんだか視界が歪んでクラクラしてきた。 この匂い・・・蒼大さんからもしていた匂い。 いつ? 今日の蒼大さんからはそんな匂いはしていないよ。 僕はこの匂いがする蒼大さんを不安な気持ちでいつも待っていた気がする。 やばい・・・・・・視界がグニャって・・・・・・。 「いぶちゃん!!!!!」 大ちゃんが側で大きな声を出して僕の事を呼んでくれているが視界は真っ暗になり僕はそのまま意識を飛ばしてしまった。

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