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立てるか?

「聖輝、旦那さんが迎えに来たって大丈夫なのか?」 椅子に座っていただけなのに圭が僕を心配そうに見てくる。 「聖輝、顔が真っ青だけど無理したんじゃないだろうな?」 「蒼大、僕は無理してないよ。そんなに顔が真っ青なの?」 「無理してないんなら立てるか?一緒に買い物行こうと思ってココに来たんだ。」 立てるかと言われたら無理をしたら立てるとは思うけれど歩けるかと聞かれたら自信が無い。 けれど蒼大に心配させたくないから僕はゆっくりと立ち上がろうとして痛みが走りバランスを崩してよろけてしまった。 「危ない!」 蒼大がとっさに僕を抱き止めると溜息をついた。 呆れられた? 「ごめん。ちょっとよろけちゃった。」 「足が痛いんだろう?歩けるか?」 僕は蒼大の腕に支えられてようやく立っている状態だった。 痛いかと聞いてくる蒼大の声は心配していて僕が蒼大の顔を見上げる様に見ると凄く心配している顔だった。 「蒼大、痛くて立って歩けないと思う。」 「分かった。今日は車で迎えに来たからちょっと恥ずかしくても我慢しろよ。荷物持ってくれるか?」 「うん。荷物持つけど恥ずかしいって?うわっ!」 蒼大は僕を軽々と持ち上げてお姫様抱っこしたんだ。 これには圭もビックリしている。 恥ずかしいしってお姫様抱っこの事で確かに凄く恥ずかしくて圭には見られてるけれどこれ以上他の人には見られたくないよ。 降ろしてと言いたいが立って歩けないなら我慢するしかないんだよね。

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