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車内

圭にお礼を言うと蒼大はゆっくりと車を走らせた。 午後3時から午後6時までのシフトなのに初日からどうしよう明日も痛みが引かなかったら他のスタッフに迷惑が掛かる。 それに蒼大はこの状態の僕を見たから明日も迎えに来るとか言い出しそうだしこれ以上迷惑掛けたくない。 僕は運転している蒼大の横顔をチラッと見た。 「聖輝、足が痛むか?」 「今は座ってるから大丈夫。ごめんね蒼大。」 「明日は無理するなよ。」 明日は無理するなよって言ったよね。 痛みが引かないなら休むことを勧められると思っていたから凄く嬉しかった。 僕が働く事を優先してくれる蒼大。 「僕、明日もカフェに行って良いの?」 「今日みたいに無理はするなよ。周りに迷惑かかるかもしれないから痛くなる前に圭か修に話して休憩貰えよ。」 「うん。ありがとう蒼大。それと迎えに来てくれてありがとう。」 「今日は定時にしてもらったんだ。聖輝は頑張り屋さんだから心配で迎えに来て良かったよ。」 蒼大はチラッと僕を見て微笑んだ顔がカッコよくて僕の心臓がドキドキと激しく鳴り始めた。 どうしよう顔が熱い絶対に真っ赤になってるよね。 凄く優しい蒼大。 僕の欲しい言葉を今日も沢山くれる。 「明日は迎えに来れないかもしれないから本当に無理はするなよ聖輝。」 「うん。無理はしない。」 明日はっていったよね。 もしかしたら僕の足が完全に治るまで迎えに来ようとしているのかな? 「それと病院から貰ってる痛み止め嫌がらずに晩御飯の後飲むように聖輝。」 「痛み止めの存在を忘れていた。我慢して飲むよ。」 赤信号で車を停車させると僕の方を見て微笑みながら僕の頭をクシャクシャとちょっと乱暴に撫でた。 蒼大にクシャクシャと撫でられるの好きだから凄く嬉しい。 「今日は俺が晩御飯を作るから聖輝は大輝と一緒にお風呂に入ってよ。」 「でも僕が晩御飯作るよ。」 「足痛いだろ?今日は甘えてろ聖輝。」 「うん・・・・・ありがとう蒼大。」 信号が青に変わるとゆっくり車を走らせ買い物をするからと家の近くにあるスーパーに立ち寄った。 僕も買い物に行くと言ったけど却下されて1人で車内に残っていた。 僕ね今日は蒼大に甘えるよ。 だから明日からは無理しない様に頑張るからね蒼大。

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