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見つかった side蒼大 3
俺は達哉さんに大輝が居なくなってもしかしたら紙に書かれた住所に向かったかもしれないと説明をした。
「大輝君の足でそんなに遠くに行くとは思えないけれどもし向かったのなら途中で見つかるかも知れないね。」
「はい、すみません。」
「車だと見つけにくいから歩いて行こう。」
少し離れた場所に聖輝を探しに行く予定で車を出して貰うはずだったが大輝の事があるからと書かれた住所に歩いて行く事にしたのだ。
大輝の秘密を達哉さんに話しても信用してくれるだろうか?
俺でも初めは半信半疑で聞いていたが説明できない部分があるのは確かなのだ。
大輝が嘘をついているとも思えない。
俺が不思議な現象とかを信じたりする事は無かったが大輝と話をしていたらもしかしたらあるのかも知れないとか思えた。
「蒼大君。確かこの辺のはずだ。」
俺は大輝が近くに居ないか辺りを見回すとあるマンションの前に立っている小さな男の子の姿が見えた。
あの服は聖輝が誕生日に大輝にプレゼントした物だよな?
「大輝!」
俺の声に反応して振り向くと大輝は大声で泣きながら俺の方へ走って抱きついたのだ。
「うわぁ〜んっ!!!!!そうちゃん。」
大輝。
本当に無事でよかった。
1人で無茶をする事を叱りつけたかったが今泣いている大輝はきっと反省をしているのだと思い俺は泣き止むまで背中を撫でた。
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