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見つかった side蒼大 6
「おじちゃん。僕にいぶちゃんを返してよ。」
「なっ・・何を言ってるんだ!」
声を荒げて再び大輝の肩を勢いよく掴んで殴ろうとしていた。
このままだと大輝が殴られてしまうと思った時に下を向いていた男性が掴まれていた手を振りほどいて大輝を庇うように抱きしめている。
「何してるんだ。どけよ!」
「嫌だ!大輝には手を出させない。」
この声はずっと探していた愛おしい人の声。
「い・・・聖輝。」
「うそ・・・蒼大・・・・・。」
今にも消えてしまいそうなか弱い声で目に涙をためて俺の名前を呼ぶ聖輝。
一歩前に出て聖輝に駆け寄り腕の中に抱きしめようと歩み出すと後ろにいた男が俺たちの目の前で聖輝の背中を思いっきり蹴ったのだ。
だが蹴ってすぐに男は数名の警察官に取り押さえられていた。
一瞬の出来事に俺は目の前の光景を立ち尽くして見ていたら達哉さんが俺の背中を押した。
「早く行けよ蒼大。」
「ありがとうございます。達哉さん。」
聖輝に近づいて行くと泣きじゃくる大輝の頭を優しく撫でて抱きしめている。
目の前のに居るのは本当に聖輝だよな?
俺は都合のいい夢とか見てるんじゃないよな?
恐る恐る俺は聖輝の名前を呼ぶと力なく聖輝は俺に笑顔を向けてくれた。
痩せて以前の様な元気な笑顔では無いけれど安堵に似た微笑みを向けて来る聖輝に俺は泣きそうになっていた。
そんな痩せて青白い顔をしているのに心配させない様に笑う聖輝を見ていると胸が張り裂けそうになる。
さっき1人で歩けなくてフラフラしていた聖輝なのにどうして周りに気を使うんだよ。
辛いなら辛いと言えよ聖輝。
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