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助かったの? 2

桧山は僕達が部屋から出て行っても顔を見せなかった。 僕の事を亜樹と呼んで毎日の様に抱いていたのに桧山は僕を見ていなかったそれは分かっている。 「聖輝と何して遊ぼうかな楽しみだ。」 ニタリと僕を見て笑う男だが目は笑っていなくてどこか冷ややかな感じがした。 エレベーターに乗り込むと男が鼻歌を歌い出す。 機嫌が良いのかな? 『もうすぐ迎えに来るよ。』 誰かが僕の耳元で囁いた気がした。 初めは男が囁いたかと思ったが鼻歌を歌っているからあり得ないではいったい誰が耳元で囁いたのか? 僕はとうとう幻聴が聞こえるようになったのか? 『大丈夫、安心して良いからね。』 きっと僕は蒼大に助けて欲しくてこんな幻聴が聞こえて来るんだ。 この男の家に行けば僕は生きて蒼大に会えないと思い無残にも殺されて遺棄されてしまうんだ。 一目で良いから蒼大の姿が見たい。 僕の目に涙が溜まり出して来たのを男に知られたくなくて下を向いて唇を噛みしめて涙がこぼれない様に我慢をしていた。

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