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お邪魔ですか? side達哉 1

聖輝君は数日眠ったままでまだ意識を取り戻していない。 久々に土曜日に休みが取れたからお見舞いを兼ねて様子を見に行こうか悩んでいた。 聖輝君も心配だが大輝君だったかな? まだ小学生なのにあんな怖い目にあって平気なんだろうかと気になりだした俺は連絡もなしに蒼大君の自宅を訪ねた。 大輝君は病院に行きたいのか母親と玄関先で揉めてるみたいだったので俺が一緒に行くと申し出たらお願いしますと頭を下げられた。 俺は大輝君の手を握ると病院へ向かった。 あんな事があったのに大輝君はニコニコと俺に笑いかけながら話をしてくる。 平気なふりをしているだけなのかと思い大輝君に訪ねることにした。 「大輝君はこの前の事は怖かったんじゃ無いの?」 「怖く無いよ。僕は男の子だから大丈夫だよ。」 俺の手をギュッと握りピョンピョンと跳ねながら歩く大輝君は凄く楽しそうに見えた。 怖く無いなら良いんだけど俺が大輝君の歳なら怖かったと思う。 「大輝君、強いね。この前はお手柄だったから好きなお菓子をプレゼントするよ。」 「えっ!本当にいいの?」 「うん。」 「やったぁ〜!」 大輝君はピョンピョン跳ねるのをやめて今度は俺の手をグイグイと引っ張り出した。 そして病院の近くにあるスーパーに立ち寄り大輝君の好きなお菓子をプレゼントして聖輝君が入院している病院へと急いだ。

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