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離してよ! side大輝

お家に入ってランドセルを置いたら今日は海君と公園で遊ぼうと約束していたのにお家に入れないしもうすぐしたら海君が誘いに来る。 「少しで良いからさ、教えてくんないかな?どうして大輝君が黒岡さんの居場所を知っていたの?」 いぶちゃんの居場所を知っていたのは決して誰にも言えないんだ。 お巡りさんにも詳しく話さなかったのに僕の秘密だから知らない人には言えないんだ。 「僕は分かんない。お家に入りたい。」 ほうどうじんの人達を避けて入ろうとしたらさっきの男の人が僕の腕を掴んだ。 「分かんないじゃないよね。詳しい住所も知ってたよね大輝君。」 「はなっ!離してよ。僕は何もわからない。」 掴まれた腕を引っ張るけれど子供の僕は大人の男の人の力には勝てない。 綺麗なお姉さんが離すように言ってくれていくるが男の人は聞いていない。 「大輝君。どうしたの?」 「あっ、海君。」 男の人の後ろに海君が立っていた。 海君と遊びに行きたいのにこの男の人は僕の手を離そうとしなくてどうしたらいいか分からなくて泣きそうになった。

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