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航ちゃんの知り合い side蒼大
男は鈴原俊春(すずはらとしはる)と名乗った。
達哉さんには大輝が住所を知って居た事など漏れない様にお願いしていたが鈴原は何故か知っている。
それを聞きたいが他の報道の人達がいる前で大輝の話は避けたい。
「小学生の大輝が住所を知っていたなんて嘘ですよ。俺と知り合いの人と遅くなっても帰ってこない大輝を探していたらたまたまあのマンションの前で大輝を見つけてそしたら黒岡さんが犯人とマンションから出て来たんです。そして警察の方に匿名であのマンションに犯人がいると通報があって数名の刑事さんがその場所で聞き込みとかされていたんです。」
達哉さんとはそういう事にしている。
じゃないと大輝が色々と話を聞かれて傷つくのでは無いかと思ったから2人で表向きはそう発表するとしていたのだ。
いや、発表をしたはずだなのに鈴原は今更の様に住所を大輝が知っていたと言う。
「本当にそうなんですか?自宅からあの距離を大輝君は1人で歩いて何をしていたんですか?」
「それは・・・。」
言葉につまり何か言わないとと思うと焦り上手く言葉が見つからない。
「私もそれは思いました。子供が1人で行くにしてはあまりにも遠いですよね。」
追い討ちをかける様に隣にいた女性が言ってくると周りにいる数名も同調して俺に疑問を投げかけて来た。
「そうちゃん。そのおじさんは報道の人じゃないよ。被害者さんの知り合いだよ。航ちゃんの知り合いだよ。」
大輝には家の中に入る様に言っていたのに海君と手を繋いで俺の隣に立ち鈴原を指差してそう言った。
一瞬何を言っているんだという空気になったが隣にいた女性が何かを思い出したのか鈴原をジッと見つめていた。
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