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被害者の? side蒼大
気がつくと大輝は俺の腕をギュッと握りしめて少しだけ震えているのが伝わってくる。
怖いのに我慢して話をしに出て来てくれたんだよな大輝。
「あっ、思い出したわ。私は貴方を取材させて貰ったのよ。確か谷村航(たにむらこう)さんだったわ。」
「こうちゃん。心配してる。」
鈴原の顔から血の気が引き真っ青な顔をしてフラつきながら膝から崩れ落ち地面に座り込んで下を向いたまま動かなくなってしまった。
もしかしたら鈴原と谷村は俺と聖輝みたいな付き合いをしていたのだろうか?
「・・どう・・して・・・そのチビが・・・・。」
下を向いたまま鈴原は今にも消えそうな声でそう呟いた。
周りもそれに反応して大輝を見ている。
「こうちゃんとお話しをしたからだよ。あの日は約束してたんでしょ?新しいカーテン買いに行くって駅で待ち合わせしてたんでしょ?」
「大輝、止めろ。」
俺は慌て大輝が話すのを止めたが涙を溜めて俺を見上げながら首をブンブンと振った。
「やめないよ!こうちゃんが心配するからやめないよ。泣いてるもん。こうちゃんもずっと泣いてるんだもん。」
「約束してたろ?」
「パパとママと約束したよ。でもねパパとママが言ったんだよ。お別れしたあの日に僕が悲しい思いをしても良いと決めた時に気にしないで話しなさいって言ったんだもん。僕は強いから平気だもん。そうちゃんやいぶちゃんもいる。海君もいるからいいんだもん。」
「大輝・・・。」
前から強かったが俺が思ってる以上に今の大輝は強くて周りに優しい。
大地さんと美央さんの強さや優しさが大輝の中にもあるんだな人の為に何かしたいとかこんな小さな子が思っているなんて大人の俺は恥ずかしい。
大輝に思いやりや強さを教えられている気がした。
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