283 / 699
俺がお前わ守る side蒼大
俺は何を守ろうとしていたんだろう?
大輝が好奇な目で見られ傷つく姿を見るのが嫌で約束とかを理由に秘密にさせていた。
けれど大輝の決めた事を無理矢理に止めさせる事は出来ない。
傷つくのを覚悟して航さんを悲しませたくない一心で話をしているんだ。
「ごめんな大輝。俺も決めた。何があっても大輝を守るから好きなだけ鈴原と話をしろ。」
「いいの?本当にいいの?そうちゃん。」
「話したいんだろ?良いから話せよ大輝。」
「うん。ありがとうね。」
大輝の話を鈴原や周りの報道関係者がどう受け止めて記事にしたりするかだが何を報道されても大輝を守る。
聖輝が知ったら怒るだろうか?
大地さんと美央なら傷ついた大輝をどうやって元気付けるだろう?
グチャグチャと考えていても仕方ないよな!
目の前で大輝が一生懸命に航さんの話をし始めると最初は変な物を見るような目をしていた人達が次第に大輝の話に聞き入るようになっていった。
鈴原も冷たい目をして大輝の話を聞いていたが徐々に目から涙が零れ落ちて行った。
「ごめん。航、助けれなくてごめん。」
「えぇ〜!僕が言うの?恥ずかしいよ。」
「航、なんて言ってんだ?」
大輝は耳まで真っ赤にして下を向いてから覚悟を決めたのか真っ直ぐ鈴原を見て言った。
「僕もあいしてる。あの時に伝えれなかった返事だよ。これからさきもずっとあいしてるからまた来世で逢えることを願っている。げんきでね。またね。」
「こ・・航。」
鈴原は航さんの名前を呟くと地面に伏して泣き続けそれを見ていた報道関係者からもすすり泣く声が聞こえていた。
「こうちゃん。バイバイいぶちゃん助けてくれてありがとう。またね。」
大輝は笑顔で誰もいない空を見上げて手を振っている傍で海君が不思議そうに大輝と同じ様に空を見上げていた。
ともだちにシェアしよう!