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賑やか
「いぶちゃ〜ん。」
ドサッ!
ドアが開くなり大輝が走って来て僕の足元にダイブをして来た。
「元気だね。大輝。」
「今日ね。今日ね。海君も一緒だよ。」
「大輝!ダイブしたらダメだろ!大人しくする約束を忘れたのか?」
蒼大が大輝の両脇を抱えてベッドの上から床へと降ろしたがそんな事は気にしないと言ったようにベッドの上に上がって来ようとしていた。
「いい加減にしろよ大輝。言う事聞かないから大輝だけ留守番だ。」
「えっ?嫌だよ。大人しくソファに海君と座るからお留守番嫌だよ。」
ベッドから降りて海君の手を掴むと2人でソファに座り大人しくお菓子を食べ始めた。
お留守番って何かな?
「この後、3人でご飯食べに行くんだよ。」
「そうなんだ。良いね。早く僕も退院したいよ。」
「焦らずゆっくりで良いから体力付けないといけないだろう?」
「うん。」
分かっている。
監禁されている間に僕は痩せてしまっていた。
体重は43kgになっていて僕も聞いた時は生きているのが奇跡じゃ無いかと思えた。
初めは重湯から始めて最近はお粥に変わり消化が良いおかずが一品増えたんだよ。
でも皆んなとご飯を食べに行けるようになるのは先になるよね。
けれど生きていれてよかった。
またこうしてワイワイと皆んなで話を出来る事が出来て凄く嬉しい。
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