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クリスマス会 2
朝食が終わりテレビを観ている大輝に僕は話をしたいと言い出すと少し驚いた顔をしてウンウンと頷いた。
胸が張り裂けそうに苦しくて大輝よりも先に僕の方が泣いてしまいそうだ。
隣に座る蒼大が話そうかと言ってくれたが僕が話したいと言い張った。
「大輝、今日のクリスマス会に海君が来れないんだ。」
「うん・・・。」
僕が言えたのは来れないだけだったこれ以上話をすると泣きながらになりそうだ。
そして大輝は黙って下を向いてる。
いつもならどうして来れなくなったとか聞いてきそうなのにやけに大人しくてまるで知っていたかの様に思える。
知って・・。
大輝のこの感じは前にも見たことがあるよ。
大地さんと美央さんとお別れをした日に大輝は全部知っていたんだ。
「大輝、僕に話すことない?」
「聖輝?」
僕は蒼大の手を握りしめて大輝に尋ねてみる。
大輝は顔をバッと上げると目に涙をためて真っ直ぐに僕と蒼大を見ていた。
やっぱり大輝は海君が来れない理由を分かっていたんだ。
僕は蒼大の手を放すと大輝に近寄り思いっきり抱きしめた。
大輝の身体は小さく震えていて声を出して泣くのを堪えているように思える。
「辛いよね。ごめんね大輝。」
「・・ふうっ・・・うゔっ・・・。」
声を上げて泣いて良いのに声を押し殺そうとしている大輝の小さな姿を見ていると胸が痛い。
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