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2人の甘い時間 1
「ごめん、聖輝。」
「蒼大?」
蒼大はソファに座り僕の腕を引っ張って起こすと強く抱きしめて謝ってきたのだ。
どうして謝っているのか分からない。
「そんな顔するから少し苛めすぎた。ごめん。お風呂に入らないか?」
僕はまだ少し理解ができてなくてそれでも返事をしなきゃって思ってコクリと頷いた。
でもねこの後、頷いたのを後悔することになるなんて思ってもいなかった。
僕は蒼大に導かれるようにバスルームへ向かい服を脱いで蒼大の後に続いて中へと入った。
中に入るとバスタブの中には真っ赤な薔薇の花びらが浮かべられていてアロマキャンドルが窓際で灯されている。
「蒼大・・・これっ・・どうしたの?」
「大輝を寝かせてから用意した。嫌いか?」
「ちがっ、なんかビックリしちゃってでもありがとう蒼大。」
蒼大がこんな事をするなんて思ってもいなかったから凄く凄く嬉しくてドキドキしてきた。
高校生の時も僕の為に一生懸命に料理を作ってくれたりしたよね。
僕は蒼大にこんなにも愛されてるんだ。
「聖輝?」
「あれ?なんか僕ね蒼大に愛されてるって思ったら感動しちゃって・・・。」
感動して自然と涙が頬を伝う。
蒼大は優しく僕を抱き寄せて頬に伝う涙に唇を当てた。
もうダメなくらいクラクラしちゃって蒼大に溺れてしまう。
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