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慌しくて

クリスマス会が終わりすぐに年末年始がやって来た。 僕は蒼大と大輝と暮らし初めての年末年始だから気合いを入れてお節料理を作ると言ったんだけど蒼大は実家だから気合いを入れて作らなくてもいいと言った。 けれどやっぱり初めての年末年始だから僕は気合いを入れたよ。 桜子さんに教えて貰いながらようやくお節料理が完成したのは年末のお昼過ぎだった。 「いぶちゃん、見たいよ見せてよ。」 さっきから大輝が僕の足にまとわりついてお重箱の中身を見せろとせがむのだ。 仕方なく椅子に立たせて脇から身体を支えてテーブルに並んだお重箱の中身を上から見せてやると嬉しそうに目を輝かせた。 「たくさんすごいね。いぶちゃんすごいね。」 「ほらっ、暴れたら転ぶから!」 「あれ僕が好きなくりくりだ。」 「へっ?あっ、栗きんとん。」 そうだった。 大輝に栗きんとんを見せてはいけなかった。 小さい時からお正月に大量に美央さんが栗きんとんを作るのだが大地さんと大輝でお節料理そっち退けで初日に全部食べちゃうんだった。 「あれは、明日ね。」 「うんうん。あしただよ。あしたは食べていいんだよ。」 栗きんとんは元旦に食べる物だとは理解しているから年末には絶対食べたりしないが明日は大輝が全部食べちゃいそうな勢いだよ。

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