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楽しそうね
「あらあら、聖輝君も大変ね。」
僕と大輝のやり取りを見ていて桜子さんが優しく声を掛けてくれた。
本当に蒼大のご両親には頭が上がらない。
それに比べてうちの家族は呑気に海外旅行に行って来ますと先程挨拶に来てコッソリと大輝に挙げるお年玉だけを桜子さんに手渡ししていた。
「すみません。なんかうちの両親を思い出したらイライラして来ました。」
「あら?素敵なご両親じゃない。聖輝君には秘密にされてるけれど色々と気に掛けてらっしゃるのよ。」
「えっ?」
「自分の子供が心配じゃない親なんていないわよ。週1のペースでうちにいらっしゃってるわよ。聖輝君のお母様は楽しくていいお友達が出来たと私は喜んでいるわ。」
うちの両親がそんな事をしていたなんて全く思いもしなかった。
なんか泣きそうになる。
「いぶちゃん、もういいよ。僕ゲームしたい。」
「あっ、うん。ほらっ、気をつけて降りるんだよ。」
いつか僕も大輝の事を僕の両親みたいに影ながら見守るとかしちゃうのかな?
蒼大は見守るとかのタイプじゃないからそれはないかな?
「聖輝君、私はまだ家の事があるから部屋に戻るわね。困ったら声掛けて頂戴ね。」
「はい。ありがとうございます。」
僕も休憩するかな?
蒼大は独身の同僚の人達と出掛けちゃったからなんだかつまんない。
テレビゲームをしている大輝を見ながら僕はソファでうたた寝をしてしまった。
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