377 / 699

好きなのか? Side蒼大

俺は掴まれてる手を強引に振り解いて淳平の腕をねじり上げ壁に押し当てた。 こんな乱暴な事はしたくなかったが何か引っかかりを感じたのだ。 昼間の淳平は俺が拓人先輩と話をしていた時に睨みつけてきた。 好きな相手を睨まずに悲しく見つめると思う。 俺ならそうすると思い淳平の行動が納得いかなかったのだ。 「すまん。こんな乱暴的なやり方で止めるのは不本意だが本当に俺を好きなのか?」 「・・・。」 「もう一度聞く淳平。好きなのか?」 淳平の身体がガタガタと震え出した。 やはり淳平は何かを隠している様な気がするけれどいったい何を隠しているんだ? 「ごめん。拓人さんに頼まれた。早く下に降りた方がいい。」 「何故?」 「それは・・・。」 下には今は聖輝と拓人先輩が2人っきりだ。 まさか? けれど淳平がこんな悲しそうな顔をして苦しそうな表情を浮かべているのは初めてだ。 俺は淳平から手を離すと急いで下に降りた。 この胸騒ぎはなんだ? お願いだから聖輝・・・無事でいてくれ!

ともだちにシェアしよう!