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寝室 Side蒼大
俺は2人にリビングで待っていて貰うように言うと聖輝を寝室へ運んだ。
いつもならお姫様抱っこすると嫌がるのだが今はその抵抗すら出来ないくらいグッタリとしている。
俺が目を離したからもう1人にはしないと決めていたのに知り合いだからとか関係なく周りをあまり信用したらダメだった。
俺の腕の中でグッタリとして瞼を閉じている聖輝を見ると助け出した時の聖輝と重なり胸が締め付けられた。
ベッドに降ろすと少しだけ目を開いた。
「寝ていて良いから電気はつけて行くから安心して眠れ聖輝。それと聖輝は嫌がるかも知れないがあの2人には俺達の事を話す。それで会社にバレて何か言われたら俺は仕事変えようと思う。」
「ごめんね。僕・・・ごめんなさい。」
聖輝の目から涙が零れ落ち出した。
泣かせたく無いのに聖輝には笑っていて欲しいのに大切な人だから笑って欲しい。
俺は聖輝の唇に自分の唇を軽く当てる。
触れるか触れないかの唇はお互いに少しだけ震えているのが伝わって来た。
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