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お返しチュッ
修と圭に申し訳ないと思いながら帰宅すると大輝がバタバタと走って僕の帰りを出迎えてくれた。
「おっかえりぃ〜!いぶちゃ〜ん。」
「ただいま大輝。」
屈んで手を広げると大輝は僕の首に腕を回して頬ずりをしてくる。
海君が転校してから始まった行為だ。
寂しいのか分からないけど大輝がこれで安心したりするなら僕はいつまでも付き合う事にしている。
こんな小さな体で色んな事があり過ぎなんだ。
僕以上に大輝は心に傷を負っているかもしれないのにいつも笑顔で頑張ってる。
大輝には無理させたくないからもっと甘えて欲しい。
「大輝にお土産あるんだ。何か分かる?」
「う〜ん。プリン!」
「うわっ、凄い。当たりだよ。」
「いぶちゃんのプリンだぁ〜!」
「晩御飯食べたら食べような大輝。」
「うん!」
そう言うと大輝はまた頬ずりをして来てチュッと僕の頬に唇を当てた。
それは初めてされたから少しビックリしたけれど僕もお返しにチュッと大輝の頬に唇を当てて2人で顔を見合わせて笑った。
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