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欲しがっていた
「そうちゃん・・・・・ダメだよ。」
僕の膝の上で寝ているはずの大輝がそう言ったから僕達は慌てて唇を離して大輝を見た。
「寝言?」
「みたいだ。でもどんな夢見てんだよ。タイミング良すぎだ。」
「そうだね。」
僕と蒼大は顔を見合わせて笑っていると修と圭が戻ってきた。
「今日はありがとうな蒼大に聖輝。いい物が撮れたと喜ばれてたよ。」
「修、気にするなよ。大輝がやりたいと言ったんだ。俺も大輝も良い思い出になる。」
「そう言ってくれると有難いよ。」
修は蒼大にそう言って笑うと圭に何かを取ってくるように耳打ちをした。
圭は頷いてキッチンの方へ消えて行った。
「今日、使ったケーキとか料理を持って帰って欲しいんだ。」
「いいの?」
「捨てるのは勿体無いし圭と2人じゃあ量があり過ぎるからかね。大ちゃんにプリンもあげてくれるかな?」
紙袋を2つ下げて圭がキッチンから出てきた。
「こっちは大ちゃんにゲームソフトなんだけど俺もうしないから良かったら受け取ってくれないか?」
「あっ、大輝が欲しがってたヤツだよ。ありがとう圭。」
目の前に置かれたゲームソフトは大輝が昨年末に欲しいと強請っていたやっだった。
目が覚めてゲームソフトを見つけたら飛んで喜びそうだ。
でも遊ぶ時間を決めなきゃ駄目だよね。
蒼大が大輝を抱き上げて2人にお礼を言い僕は紙袋とゲームソフトを両手に持って蒼大の後をついて歩いた。
今日の晩御飯は豪華になる修の料理は凄く美味しいから楽しみだ。
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