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バラす
奥さんは僕を見て微笑んだ。
蒼大が来るまではとても冷たい目をしていたのに今はそれすら感じさせない。
「間違っていたらと言うか蒼大さんに言われた様なもんだけれど聖輝さんが言っていた大切な人は蒼大さんかしら?お2人はお互いに惹かれあっていて同居されている。」
「はい。俺は高校生の時から聖輝だけです。」
蒼大は躊躇う事もなく奥さんにそう言った。
僕は蒼大と奥さんが話している内容を理解しようと必死だった。
あれ?
僕達の事を隠さず話したんだよね。
でも奥さんは笑顔を崩さないでずっと僕を見ているんだけど同性同士のお付き合いは受け入れてもらえてるのかな?
「聖輝さん、蒼大さんは素敵な方ね。隠さないで話してくださってありがとう。私は偏見は無いから大丈夫よ。」
「ありがとうございます。」
「お友達の淳平さんはご存知だったのよね。」
「あっ、はい。」
淳平さんはまさか自分に話が振られると思っていなかったみたいで大輝と大翔君の話に参加していたのだ。
「すまない。沙也加が2人に嫌な思いさせてしまった。」
「謝らないでくださいよ北嶋先輩。俺達は嫌だなんて思って無いですよ。」
「そう言ってくれると嬉しいよ。ありがとう。」
真波ちゃんはさっきから僕の方へ来たがってるみたいだから真波ちゃんにおいでとしてみた。
すると首をフルフルとゆっくり振った。
「いぶちゃんに頭撫でてほしいみたい。」
「そう?」
「うん。さっきからまなちゃんが言うんだよ。」
大輝のいう通りにすると嬉しそうに笑い手をパチパチと叩いたのだ。
けれど大輝に小さな子の思ってる事が分かるとか初めてかもしれない。
大輝に対しては何を言い出しても驚く事は無くなっていたが周りの人が驚いているのに今更になって気付いたのだ。
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