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いぶちゃんどうしたの? Side蒼大
震えは止まっているでも俺は聖輝に声を掛けるのが怖くなっていた。
窓の外は陽が昇り明るくなり始めている。
部屋は暖房が効いていないから聖輝の身体も冷えているかもしれない。
怖がってたら聖輝が風邪を引いてしまう。
ゆっくりと聖輝の方へ近づいて手を伸ばし触れようとするとまた払いのけられてガタガタと震え出す。
「聖輝・・・頼むからこっちに来てベッドで寝てくれないか?」
話しかけても逃げようとする聖輝。
強引にするともっと聖輝の心を傷つけてしまう。
ガチャ!
「そうちゃん・・・いぶちゃんどうしたの?タツ爺ちゃんが騒いでて寝れないんだ。」
「大輝・・・起こして悪い。」
目を擦りながら俺の方にトコトコと近付いてきて聖輝の姿を見て大輝は目をこするのを止めた。
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