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ごめんなさい

足を三針縫う怪我をしてしまった大輝だが病院について治療を受けている間ずっと痛みを我慢して泣き叫んだりはしなかった。 蒼大が慌ててキッチンに来てから泣き声を出していなかった気もする。 治療を受ける大輝を見て僕の方がパニックになっていたのに大輝は声を殺して大粒の涙を流しながらずっと耐えていた。 「偉いね。よく我慢したね。大人でも暴れちゃったりするのに大輝君は強いね。」 「おしまい?」 「治療はおしまい。お薬出すからちゃんと飲んで早く治そうね。暫くは歩くと痛いと思うからね。無理しないようにね。」 「うん。ありがとう先生。」 大輝は痛いのを我慢して笑ったのが僕にはわかった。 いつものようにお日様みたいな笑顔ではなかったからだ。 「無理をさせないようにしてくださいね。後は数日、傷口の洗浄に来て下さい。」 「分かりました。ありがとうございます。」 「それでは外でお待ちください。」 蒼大は抱き上げ外の待合室のソファに大輝を座らせるとギュッと抱きしめ背中を撫でた。 「そうちゃん、ごめんなさい。」 「そうだな、動くなと言ったのに動いたから怪我をした。今度からは気をつけろよ大輝。痛いのによく我慢したな偉いぞ大輝。」 「うん。僕、痛いの我慢した。血を見たらね。怖くて泣いちゃったけど痛いのは我慢したよ。」 「偉い偉い大輝。」 大人でもあんな大量の血を見たら怖いよ。 本当にごめんね大輝。

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