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家族の光景
「お帰りなさい。大ちゃん大丈夫?大ちゃんより貴方の方が心配だわ。」
玄関で待っていた桜子さんが心配そうにお義父さんに寄り添った。
「大丈夫だよ。桜お母さん。」
「私も大丈夫だ。心配症なんだよ。ほらっ!いたたっ!」
「あら、貴方。本当に大丈夫なの?」
「ちょっと、湿布ないかな?」
大輝を抱き上げて腰を痛めたみたいでお義父さん痛そうに腰を摩っている。
「親父、大丈夫か?」
「少し痛いだけだ。直ぐに治る。」
「貴方、病院に行きますか?」
「病院なんてとんでもない。それより湿布くれ!」
「はいはい。」
大輝は蒼大に抱き上げられてお義父さんと桜子さんと一緒にリビングへと向かって歩いて行った。
僕も後ろからついて歩いた。
まだお義父さんと桜子さんは病院に行く行かないで言い合いをしている。
それを見て大輝はクスクスと笑い蒼大は溜息をついていた。
僕には凄く仲が良い家族の光景に見えて、そこに僕は入って良いのかと思ってしまった。
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