495 / 699

カウンセリング 1

大輝が怪我をした翌日は僕のカウンセリングの予約を入れていたのだ。 結局、蒼大とお義父さんは遅刻で会社に出社して僕はいつも通りにカフェに行った。 修に大輝の通院が終わるまでは出勤時間をずらして欲しいとお願いすると二つ返事でOKを貰えた。 「それなら暫くは休んでいいぞ聖輝!」 心配をされて言ってもらったがやっと働けるんだもん僕も休みたくないしこれ以上迷惑かけるのは心苦しい。 「黒岡さん?どうかされましたか?」 『あっ!すみません。少し考え事をしてました。』 「それにしても大輝君は大人しくて良い子ですね。」 僕が診察室に入って診察を受けている間は1人にしたくないと無理言って一緒に居る許可を先生から貰った。 『はい。僕なんかより悲しい思いをしてるのにいつも明るくお日様のように笑っています。大輝が居たから僕は今も生きているんです。』 「黒岡さんは大輝君の話をされていると穏やかな表情をされますね。凄く大切なんだと伝わってきますよ。」 『大切な人達から預かりました。僕が大輝を守らないとダメなんです。』 僕の言ったことに先生がフワッと笑った。 「黒岡さんには側に協力してくれる方達がいます。1人で考え込まずに周りにも協力を求めてみてはいかがですか?」 『そうですね。』 周りにも協力をと言う先生が何を言いたいのかは頭では分かっているんだ。 変に強情なんだよ僕。 もっと素直になれたら良いのにといつも思う事だがやっぱり先生には気づかれているのかな?

ともだちにシェアしよう!