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迷惑かけた
「おいしいよぉ〜。いぶちゃん。お口の中がわぁ〜ッ!」
お口の中がワァ〜?
大輝にしか分からない表現だけどキラキラと目を輝かせて必死に美味しいを伝えようとしているのは分かる。
『ありがとう。』
「分かったよ!そうちゃん。いぶちゃんがありがとうって言ったよね。」
「ありがとうって言ってた。分かるようになって良かったな大輝。」
「うん!」
嬉しそうにアップルパイを口の中一杯に頬張りながら笑う大輝を見ていると僕の心もホカホカとしてくる。
きっと拓人さんも淳平君にも分かったとは思うけれど大輝の嬉しそうな顔を見ていると言えなくなってしまって一緒に喜んでくれている。
「騒がせて迷惑かけたうえに美味しいアップルパイとお茶をありがとう。」
「僕もごめん。本当に聖輝君のアップルパイは美味しいよ。」
「2人が仲良くしてるなら良いですよ。聖輝も同じ気持ちだと思う。」
僕は隣で縦に首をコクコクと動かした。
2人にはずっと仲良くして貰いたいと心から願っている。
だってね・・・2人が見つめ合って微笑む姿は凄く凄く幸せそうに見えるんだ。
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