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ホワイトデー 3
蒼大は優しく僕の髪に触れて撫でてくれる。
壊れ物を触るみたいに扱ってくれて蒼大からはたくさんの愛が伝わってくる。
僕を汚れてないと綺麗なままの聖輝だと言ってもらえた日から僕の世界は蒼大だけになった。
「そ・・・た・・・すき。」
「聖輝?」
声・・出たの?
確かに掠れたような弱々しい声だったが僕の声が出た気がした。
怖いけれどもしまた声が出るなら蒼大にちゃんと伝えたい事がある。
今でも蒼大を縛り付けているけれどそれを伝えたらきっと一生蒼大を僕に縛り付けてしまう。
怖さで震える身体。
僕の気持ちを思いを伝えたら蒼大の返事が怖い。
それでも伝えたい。
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