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ホワイトデー 15

泣き止んだ僕の前にそっと置かれたのは暖かなミルクティーだった。 「ありがとうございます。」 「落ち着かれましたか?」 「すみませんでした。」 「こんなに喜んで頂けて私共も嬉しく思います。ありがとうございます宮垣様と黒岡様。素敵な瞬間に立ち合えました。」 担当の店員さんが僕達を見て柔らかく暖かな笑顔を見せてくれた。 落ち着いたら僕はある事に気付いたんだ。 店員さんは僕達の事を知っている。 「蒼大、他の人に知られていいの?」 「帰ったら詳しく話すけれどココって俺が勤めてる会社の系列なんだよ。知ったのは聖輝が行方不明になって暫くしてからなんだけどね。」 「じゃあ、会社に僕達の事が分かっちゃうよ。」 会社の系列ならきっと僕達の事がバレてしまうかもしれない。 ここに居る店員さんが個人の事をベラベラと話すようには見えないけれどもしかしたらとか考えてしまう。 「このお店はオーナーからの紹介なんだ。オーナーは会社の社長。」 「えっ?じゃあ社長にバレちゃってるの?」 「バレてると言うか相談してた感じなんだ。理解あるんだよ俺たちの事にだから安心して良い。」 「けどけどね。」 けどね。 いくら理解があるからって本当に理解されているかなんて分かんないよ。

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