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ホワイトデー 16

蒼大は少し困った感じで僕を見ていた。 「プライベートな事だから俺からはあまり言えないんだ。」 「ごめんなさい。蒼大が大丈夫と言うなら僕も信じる。」 蒼大が大丈夫だと思って相談とかしてたんだから僕も信じなきゃダメだよ。 うん! 「クスクス。可愛いですね。宮垣君のパートナーさん。」 植物の影から男性? 可愛らしい男性だと思われる人が柔らかく笑って蒼大に話し掛けた。 「竹田(たけだ)さん。どうしてここにいらっしゃるんですか?」 「え〜っ!聞いてませんか?心輝(しき)が言い忘れてるんだね。」 女性の店員さんは席を立って竹田さんをソファに案内している。 「ありがとう。僕も紅茶頂いて良いですか?」 「かしこまりました。」 もしかしてこの人が社長でこのお店のオーナーされてるのかな? 「初めまして、僕は竹田直(たけだなお)です。簡単に言うと宮垣君の会社の社長の恋人です。」 「えっ?」 「驚きますよね。恋人というか昨年に養子縁組が終わってるから奥さんみたいな感じです。旧姓でお仕事してるんで竹田って言っちゃった。改めて西山(にしやま)直です。」 僕は瞬きすら忘れて目の前で柔らかく笑う竹田さんに見入っていた。 「聖輝?」 「あっ?ビックリしちゃってすみません。初めまして僕は黒岡聖輝です。」 「宮垣君の話聞いてたからお会いしたくてお店に来てしまいました。驚かせてすみません。」 「頭上げてください。僕もお会い出来て嬉しいです。」 蒼大が理解あるからと言っていたのは竹田さんという方が社長の側にいるからなんだ。 だから僕達の事を相談していたんだね蒼大。 それにしても竹田さんは凄く優しい感じで可愛らしくて本当に男性なのかと思ってしまう。

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