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あの公園
僕が指輪に気を取られている間に次の目的地に着いたみたいで車が停車した。
そこはあの日の公園。
蒼大が圭と2人で笑いながら歩いていた公園そして2人の気持ちを確認した公園だった。
蒼大の車は公園の入り口付近の駐車場で停車している。
「少し歩かないか?」
「あっ、うん。久しぶりにこの公園に来た気がする。」
「あれ以来、来てないだろ聖輝。」
「うん。」
あれ以来か・・・。
高校の時以来僕はこの公園に来ていなかった。
蒼大と車を降りてゆっくりと歩き始める。
ゆっくりと歩いて何も話さないがお互いに意識しながら丁度いい距離を保ちながらゆっくりと一歩ずつ歩いている。
歩いているとあのベンチへとやって来た。
「あそこに座らないか?」
「うん。」
あのベンチ。
昨日の事のように僕は覚えている。
このベンチで傷の手当てをして貰って2人の気持ちが通じ合って凄く凄く嬉しかったのを覚えている。
なんか思い出したら泣きそうになって来たよ。
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