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報告

僕は宮垣聖輝になりたいと伝えると蒼大は目に涙を溜めていた。 僕も言いながら半分泣いていたんだけどね。 家に帰って真っ先に桜子さんに報告をすると凄く喜んでくれてまた息子が増えて幸せよって笑ってくれた。 桜子さんはきっと蒼大の子供とか見たかったに違いないと思う。 それを正直に話すと複雑な表情をしてでもハッキリと言われたんだ。 蒼大の幸せを願うから私は聖輝君と添い遂げる事を応援したいし協力したいのよと言ってくださりそれと蒼大のお義父さんも同じ気持ちなのだと話してくれた。 僕はその話を聞いて泣いてしまった。 そんな僕を桜子さんは優しく抱きしめてくれたんだ。 「たっ、だいまぁ〜!」 桜子さんに抱きしめられて泣いていると元気よく大輝がリビングに入って来た。 「おかえり大輝。」 「そうちゃんだぁ〜。あれ?いぶちゃん泣いてるの?そうちゃんがまたいじめたの?メッだよ!」 蒼大にそう言うと大輝は僕のそばに寄って来て桜子さんと一緒にギュッと抱きしめてくれた。 「はぁっ?俺は苛めてないし大輝。」 「いぶちゃんが泣いてるもん。」 「違うよ大輝。苛められたんじゃなくて嬉しくて泣いてるんだよ。」 大輝は僕の顔を見て首をコテンと横にして不思議そうな顔をしている。 僕が泣いてるから苛められたと思っちゃったんだよね。 苛められてないって言っても泣いてたら信じられないかな? 大輝は優しいから僕を心配してくれてるんだよね。 ありがとう大輝。

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