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大輝には
大輝は指輪が欲しいと駄々をこね出した。
最近はたまにワガママを言う様になりそう言えば大地さんや美央さんに甘えている時もワガママを言う時があった。
まだ小学1年生で両親に甘えたりしたいはずだ。
ワガママ言ったり甘えたりはダメとか言ってなかったが大輝なりに我慢していのかもしれない。
同じ年の子達より少し大人びた顔付きになっている気がしたけど今の表情は同じ年の子達と変わらない。
大輝も生活に慣れて来てワガママ言ったり甘えたりを今以上に僕達にしてくれてるのかな?
「分かった。同じのはやれない。」
「同じが良い。」
「それ以上に大輝にとっては大切な物をやる。失くさないと誓えるか?」
「うん!大切な物を失くさない。」
何を大輝にあげるの?
蒼大は棚にしまってあった小さなオルゴール付きのジュエリーケースを取り出して来た。
あれは!
「大輝のお父さんとお母さんの結婚指輪だ。」
「僕のお父さんとお母さんの結婚指輪?」
「大輝が大きくなってから渡すつもりだった。大輝にとっては大切な物だ。」
ケースを開けて中の指輪を見せる蒼大。
大輝はジッと見つめて手に取ろうとしたが首を横に振った。
「そうちゃんが持ってて欲しい。僕の宝物。」
「分かった。見たくなったらいつでも俺か聖輝に言えば見せてやる。」
「うん!僕はまだいらない。」
お2人の結婚指輪を見て大輝は何を感じ取ったのだろう?
子供の顔付きだった大輝がまた大人びた顔付きになってしまっている。
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