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devil 3

 敵国の姫君が好みではなかったのもありますが、実はリアム王子には、密かに思いを寄せる相手がいました。  彼女はローズ姫といい、リアム王子の国や結婚させられようとしている姫君の国より、さ らに大きな国の主の娘です。  しかし、そんな大国のローズ姫が、もっと言うならばそのローズ姫の父親である国王が、リアムの国を相手にするはずがありません。  時おり物好きなローズ姫が、彼女の父親とともにリアムの国にやって来ることもありますが、接点はそれだけです。  噂で結婚を控えているとも耳にしました。  リアム王子は、どうにかその結婚を取り止めさせて、自分のものにできないかと企んでいます。  それを見たリチャードが、歪んだ顔で囁きかけてきました。 「王子様、今のあなた様は力をお持ちです。その力で、ローズ姫のことを手にいれることは可能かもしれませんよ」  文字通り悪魔の囁きに、リアム王子は悪そうな表情をして、 「そうか、その手があったか」  指をならし、リチャードに対してうなずき返しました。

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