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devil 5

ローズ姫とリアム王子は、それから次第に親しくなっていきました。ローズ姫はリアム王子に心を許してきたようです。  その反面、リチャードは醜い顔をもっと醜く歪めて、リアム王子に嫌味を言うようになりました。 「お前とローズ姫が、そんなにうまくいくとは思えないけどな」  いつの間にかその口調も、乱れたものに戻っています。リアム王子もそれに対して顔をしかめ、 「どういうことだ。何がそんなに気に入らないんだ」 「お前と姫がうまくいったとしても、お前は一生姫に隠して生きていかなければならない。お前がやらかした醜い所業をな」 「……なんのことだ。あれは、お前が」 「俺は確かに、ローズ姫をどうにかできるかもしれないとは言ったが、さすがにころ……」 「黙れ!」  リアム王子が怒鳴ると、リチャードは口をつぐみましたが、不満そうなままです。そんなリチャードの襟元をつかみ、その首を締めんとばかりに引っ張り寄せながらリアム王子は言い放ちます。 「お前、本当は僕があの姫と結ばれるのが気にくわないだけだろう。お前は嫉妬しているんだ、あの姫に僕がとられてしまうのが嫌で」 「……」  予想外の切り返しに、リチャードが一瞬驚いた顔をしました。黙ったままでいるのを肯定と取ったリアム王子は、にやりと笑うと、リチャードの顔に自分の顔を近づけます。その距離は、あまりに近すぎました。 「お前、こういう時くらい見た目をどうにかできないのか」  そう嫌そうに言いながらも、リチャードの唇を塞いでしまいます。 「一晩ぐらい寝てやってもいいが、代わりに姫にはさっきの話は黙っていてくれ」  そう持ちかけたのはリアム王子の方なのですが、すぐに後悔することになるとは思いもよらなかったのです。

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