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今日は久し振りに兄弟で飲む為、次男の家に集まる予定。 インタホンを押すと二人の弟が出てくる。 「兄さん!お疲れさま!」 次男のソナタが笑顔で出迎えてくれた。 この春から社会人で塾講師。 アパート借りて一人暮らし。 真面目で優しい性格。 外ではしっかり者だけど、身内の前じゃ、涙もろい。 恋愛に夢見る次男。 「久し振り」 スーツの上着を脱いで、ハンガーにかける。 「今日は泊まってく?ナオ兄」 三男のレキが甘えたように話してきた。 大学生。 一見、甘えん坊な末っ子。 中身はしたたかで世渡り上手。 そして、兄弟一の問題児。 平たく言えば、セックス依存症。 「そうだな。明日、会社、休みだし」 「やったー!じゃ、たくさん飲も」 「俺の友達でね、運命の番でαとΩ、結婚したカップルがいるんだよ。 すごいラブラブ!」 ソナタが言う。 「運命なんて、都市伝説だろ」 呆れたように話す。 「社長とか、エリートのα捕まえて、幸せになるのもいいけど…………!! 俺は、運命の番を見つけて、一生、愛されて、幸せに過ごしたい!!」 運命の番を信じてるソナタ。 「ソナ兄は夢見がち過ぎ。 Ωはどうせ、愛人止まりだろ。 俺はまだ特定の相手なんていらないなぁ。 若いうちに遊ばないと!!」   レキが言う。 一体、何があったのか 恋愛にドライすぎる うちの三男 一夜限りは当たり前。 Ωを逆手に色んなβを引っ掛けて、見る度に相手の違うレキ。 そのうち、変な奴に酷い事されそうで心配で仕方ない。 忠告してもいくら言っても聞かないレキに頭は痛くなるばかり。 まぁ、人の事ばかり言えない。 俺も弟達に心配をかけてる事がある。

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