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明里の後ろの席である、
小谷 晴臣 (おたに はるおみ)とは入学式で小谷から声をかけられて仲良くなった。
初めは明里とは正反対のタイプで正直ニガテだったが。
そんな小谷は目鼻立ちがはっきりしていて、学年でもかなりの男前だと噂されているらしい。
サッカー部に所属していて、女子の間ではファンクラブなんてものも存在しているとか。
( おれからしたら人懐っこい大型犬にしか見えないけど。 )
そう思いながら、小谷と並んで階段を降りる。蝉がうるさいくらいに鳴いていて余計に暑さが増している気がした。
『 今回は絶対大丈夫。てかちゃんと寝ないと。
ボーッとしてると明里ちゃん可愛いから
悪い輩に襲われちゃうよ。』
出会った時から小谷は明里のことを『可愛い』だとか『美人』だとか『男に襲われる』だとか、耳にタコができるくらい言ってきた。
『 可愛いって言うなって!あと"明里ちゃん"って呼ぶな。そもそもおれ男だし。あるわけねーじゃん。意味わからん 』
『 ……明里はわかってないんだよ。おれが今まで見てきた人の中で明里より綺麗な人見たことないし。マジで気をつけろよ。』
小谷は真面目な顔でそう言いながら部活があると言って部室棟の方へ歩いて行った。
( 綺麗……?てかそもそも悲しいことに女の子にもモテたことないのに、なんで男?)
明里は17年間一度も彼女がいたことがなかったので、
明里には小谷が言ってることが理解できなかった。
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