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5 1年の時に一度きたことはあるが、 相変わらず小谷の家はデカかった。 ガレージの前を通ると、高そうな外車が何台もとまっていた。 ( 非日常すぎるな、何万円ぐらいするんだろう。) 玄関は大理石でできていて、明里が脱いだ年季の入ったスニーカーは場違いすぎて恥ずかしくなる。 使用人のような人が来て、小谷は仲良さげに話していた。 『 おれの部屋わかる?ごめん。きょうお客さん来てるの忘れてた。ちょっと親父のとこ行ってくるから部屋で待ってて!漫画とか好きに読んでていいから。』 そう言って小谷はその使用人と家の奥に行ってしまった。 ( 来たことあるけど、広すぎてあんまり覚えてないし… 辿り着けるか?このままここにいた方がいいのか? 高校生にもなって家の中で迷子になるのは恥ずかしすぎるだろ…) 明里が玄関で立ち止まってうーんと考えていると、 小谷達が歩いて行った方とは違う廊下から足音が聞こえた。 その足音は次第に大きくなり、 明里のいる玄関に向かって来ているようだった。 ( 小谷もいないのに、 小谷のお母さんなら会ったことあるけど、 もし違かったら?でも無言はマズイ。 なんか言った方がいいよな…無難にお邪魔してます!だよな) 明里は数秒のうちに脳をフル回転して出した答えを廊下を歩いて来た人にぶつけた。 『あの!おれ息子さんの友達で、遊びに来てて!お邪魔してます!ごめんなさい!息子さんはお父様のところに行ってしまいました!』 明里は緊張しているからか、 口から出てきた言葉を割と大きな声でそのまま発していた。 頭を下げたまま目の前にいる人から言われる言葉を待ったが、 気配はあるのに聞こえるのは明里の呼吸音だけだった。

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