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6 明里は恐る恐る頭を上げると、 外国人っぽい人が笑いをこらえながら立っていた。 ( すごい、目が青い!外国人なのか?どうしよう! おれ英語喋れねー!てかなんで笑ってんのこの人… なんか怖い人?) 明里は友達の家の玄関で初対面の人間に 笑われている状況に困惑していた。 外国人は笑いを落ち着かせるように深呼吸をして、 形のいい口を開いた。 『 俺はこの家の人間じゃないし、声がでかすぎてうるさい。 そんなに大声で言わなくても聞こえる。』 (日本語だった…よかった…いや違うだろ!初対面でなんでこんな偉そうなの!こいつ!) 『 うるさかったのは謝りますけど、 おれたち名前も知らない初対面ですよね? 敬語くらい使ったらどうですか!』 『 敬うべき対象じゃないから使わない。 俺の名前は、牧 龍司(まき りゅうじ)。お前は?』 明里は頭から火が出そうなくらい怒っていた。 『 じゃあこっちだって敬うべき対象じゃないと分かったので 使いません!おれは田中 明里!おぼえとけ!』 ( なんだよ!敬うべき対象じゃないって!むかつく! そりゃおれはどこにでもいる一般男子高校生だけどさ! てか、よく見るとこの人すごい 悔しいけどイケメンなんじゃないか? ハーフ……なのかな。目が青い。) 気づくと明里は龍司を凝視してしまっていた。 『 そんな物欲しそうな目でジロジロ見ても何もないぞ。 ここの家の息子の友人と言っていたな。 この家にはよくきてるのか?』 『 いや1年前に一回来たくらいで、今日で2回目だけど。 なんでそんなこと聞くんだよ…ていうか、そっちこそなんで小谷の家にいるんだよ!』 『 仕事の話をしに来たんだ。 うちの会社はここの家とは長い付き合いだからな。』 ( うちの会社ってことはこの人すごい人なのか?) 『 別に気になってるとかじゃないし 答えたくないならいいけど あんた、もしかして社長さんとかなの?』 明里は純粋な疑問を龍司にぶつけた。

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