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明里は恐る恐る頭を上げると、
外国人っぽい人が笑いをこらえながら立っていた。
( すごい、目が青い!外国人なのか?どうしよう!
おれ英語喋れねー!てかなんで笑ってんのこの人…
なんか怖い人?)
明里は友達の家の玄関で初対面の人間に
笑われている状況に困惑していた。
外国人は笑いを落ち着かせるように深呼吸をして、
形のいい口を開いた。
『 俺はこの家の人間じゃないし、声がでかすぎてうるさい。
そんなに大声で言わなくても聞こえる。』
(日本語だった…よかった…いや違うだろ!初対面でなんでこんな偉そうなの!こいつ!)
『 うるさかったのは謝りますけど、
おれたち名前も知らない初対面ですよね?
敬語くらい使ったらどうですか!』
『 敬うべき対象じゃないから使わない。
俺の名前は、牧 龍司(まき りゅうじ)。お前は?』
明里は頭から火が出そうなくらい怒っていた。
『 じゃあこっちだって敬うべき対象じゃないと分かったので
使いません!おれは田中 明里!おぼえとけ!』
( なんだよ!敬うべき対象じゃないって!むかつく!
そりゃおれはどこにでもいる一般男子高校生だけどさ!
てか、よく見るとこの人すごい
悔しいけどイケメンなんじゃないか?
ハーフ……なのかな。目が青い。)
気づくと明里は龍司を凝視してしまっていた。
『 そんな物欲しそうな目でジロジロ見ても何もないぞ。
ここの家の息子の友人と言っていたな。
この家にはよくきてるのか?』
『 いや1年前に一回来たくらいで、今日で2回目だけど。
なんでそんなこと聞くんだよ…ていうか、そっちこそなんで小谷の家にいるんだよ!』
『 仕事の話をしに来たんだ。
うちの会社はここの家とは長い付き合いだからな。』
( うちの会社ってことはこの人すごい人なのか?)
『 別に気になってるとかじゃないし
答えたくないならいいけど
あんた、もしかして社長さんとかなの?』
明里は純粋な疑問を龍司にぶつけた。
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