23 / 34
本編 21
○春のマンション・寝室
ベッドの端に足を下ろして座っている輝一。彼の膝を枕にし、瞼を閉じている春。
輝一:「別れても想い続けている人がいるって言ってたよな…奴がそうなのか?」
左耳のヘリックス部分に付いているピアスにそっと触れる輝一。
ゆっくりと瞼を開く春。
春:「うん…」
春の返事に動揺する輝一。
輝一:「今でも…?」
春:「好きだよ…だから、全てを話して終わりにしようと思う。」
困惑の表情を浮かべる輝一。
輝一:「何故だ?彼奴もお前を想ってる様に見えたぞ。」
上半身を起こし、悲しみを湛えた瞳で輝一を見つめる春。
春:「だからこそだよ。俺は男達の手垢に塗れて汚れ切ってる。愛してるだなんて…言える通りが無いだろ?」
ともだちにシェアしよう!