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那和「それで、資料を?」
神田「あ…!!……いや、うん。それだけじゃないんだ」
神田は興奮して思わず立ち上がってしまった体を恥ずかしそうにしつつ、一旦椅子に下ろした。
神田「昨日、お前が近所の子たちに絵本を読んであげてるのを見たんだ」
//回想
上村N「那和君の本当に良いところを発見できるのは自分自身ですけど、まずは良いところを見つめてみないと色々分かりませんよ」
○自宅までの帰路・公園前(夕方)
帰り道の道中である公園で歓声が上がり、ふと公園を覗く神田。
芝の上から身を乗り出せて見れば、ベンチに那和が座っている。神田はすかさずあまり離れていない近くの木に身を隠した。
ベンチの周りに小さい子供達が彼を囲むように座り込み、那和は読み聞かせをしていた。
子供A「お兄ちゃんの絵本、すっごく面白いね!」
那和「せやろ?これ、俺が描いたんやで?」
えくぼをつくり、にししと笑う那和。
//回想終わり
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