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手の中にあるほうじ茶を膝の上でくるくる回す神田。
神田「さっきのは高校の同級生で……同じ業界にいたこともあって三年前から付き合っていたんだ」
那和は黙って聞いている。
神田「みつ…、竜崎の言ってたことも本当で、オレは、その……」
//回想
○文具売り場
竜崎「ふ…っ。発情期が来ないゲイだからって生徒を襲うとかおちたな、お前も」
//回想終わり
○休憩所
神田の身体が微かに震え、それを必死に押さえるように片方の手で腕を掴む。
神田「オレは…、何年か前から発情期が来なくなってしまったΩで、フェロモンも出せなくなってしまったんだ。医者には命の別状はないと言われている。だから、悦びのスイッチを押すことが不可能…で。それで……」
神田M「そんなことはもう知ってたのに、なんで震えてるんだ…オレは」
言葉に行き詰まると、那和の手が神田の手に触れる。
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